日本語には、日常的に使われる言葉にも深い歴史と面白い背景があります。本記事では、言葉の由来や雑学を50個厳選し、言葉の魅力を掘り下げていきます。是非、言葉の由来を知り、日々の会話などを思い返してみてくださいね!
言葉の由来を知ることの意義
文化理解
言葉の由来を知ることで、その背景にある文化や歴史も理解できます。例えば、普段当たり前のように使っている「ありがとう」は感謝を表す言葉ですが、由来は「有り難し」という古語から来ています。
コミュニケーションの質向上
言葉の意味や成り立ちを知ることで、より豊かなコミュニケーションが可能になります。例えば、「ごめんなさい」は「免(めん)」に尊敬語「御(ご)」がついた形で、相手への敬意が表れています。謝意だけでなく、敬意もある言葉なんだなぁと思うだけで、言葉の重みも変わるかもしれませんね。
日本語の言葉の由来【50選】
それでは、いくつかのジャンルに分けて言葉の語源や雑学を見て行きましょう!
よく使う挨拶の語源
- ありがとう
- 古語「有り難し」から派生し、「存在することが難しい」という意味から、珍しく貴重なことへの感謝を示す言葉として使われるようになりました。
- ごめんなさい
- 許す意味の「免(めん)」に尊敬の接頭語「御(ご)」がついた言葉で、許しを求める表現として使われるようになりました。
- おめでとう
- 語源は「愛でる」という意味の「めで」と、程度を強調する「甚し(いたし)」が組み合わさった「愛で甚し(めでいたし)」に由来します
- おはよう
- 語源は「お早く」で、早朝に活動を始めた人を称賛する意味から朝の挨拶として使われるようになりました。
- いってきます
- 「行って、また帰ってくる」という意味があり、再会を願う祈りが込められた言葉です。
- こんにちは
- 元々は「今日はご機嫌いかがですか」という意味の挨拶文の省略形です。時候の挨拶から日中の一般的な挨拶へと変化しました。
- さようなら
- 「然様ならば(さようならば)」で、「それでは」という意味の接続詞から派生し、別れの挨拶として使われるようになりました。
- ただいま
- 「只今(ただいま)帰りました」の略語で、帰宅時に使われる挨拶です。
- いただきます
- 位の高い方から物を受取るときに、頂き(いただき・頭の上)にかかげていたことが由来です。食事前の感謝を表します。
- ごちそうさま
- 「馳走」という言葉に由来し、食材を集めるために奔走する様子を表しています。感謝の意を込めて「御」と「様」を加えた表現です。
日常会話で使われる言葉の語源
- おもしろい
- 天岩戸神話に由来します。岩戸が開いて光が戻った際、神々の顔が白く照らされて喜びに輝いた様子を表しています。このため、「おもしろい」は明るく楽しい感情を意味するようになりました。
- たのしい
- 楽しいときに人は手を伸ばして喜び舞うことから、「手伸舞(たのしまう)」「手伸し(たのし)」が語源とされています。
- 好き
- 「好」は「女」と「子」で構成され、母親が子供を抱く姿を表し、そこから「良い」「親しい」という意味を持つようになりました
- 嫌い
- 「嫌」は「女」と「兼」から成り立ち、兼は「かねる」を意味し、心が二つにまたがって安らかでない状態を表しています。このため、「嫌い」は不安定な心情から生まれた言葉です。
- サバを読む
- 江戸時代の魚市場で鯖が傷みやすいことから急いで数を数えた結果、数え間違いが多かったことに由来します。このため、実際の数をごまかす意味で使われるようになりました。
- ちやほや
- 「蝶よ花よ」という言葉が短縮されたものではなく、「ちゃら」から生じたとされています。「ちゃら」は口先で機嫌を取る様子を表し、「ほや」は江戸時代に嬉しそうに笑う様子を意味していました。
- 東
- 「ひむかし(日向かし)」から転じた「ひがし」に由来します。これは「日向風」を意味し、太陽が昇る方角を指します。
- 西
- 太陽が沈む方向を意味する「去にし(日が去る)」が「にし」に転じたものです。また、「日のイニシ(往にし)方」という説もあります。
- 南
- 日本語の「みなみ」は、「皆見(みなみ)」や「海の見(みのみ)」などの説がありますが、確定的なものはありません。
- 北
- 二人の人が背を向け合っている形を表す象形文字から来ています。このことから、「背を向ける」意味が転じて、方角としての「北」を示すようになりました。
外来語由来の日本語
- タバコ
- スペイン語やポルトガル語の「tabaco」に由来し、これはカリブ海のアラワク語族の言葉から来ています。特にタイノ語でタバコの葉や喫煙具を指していたとされています。
- カルタ
- ポルトガル語の「carta」で、「四角い紙」や「カード」という意味です。16世紀にポルトガルから日本に伝わり、「南蛮カルタ」として受け入れられました。
- パン
- ポルトガル語の「pão」に由来します。これは16世紀にキリスト教の布教と共に日本に伝わり、ラテン語の「panis」に遡ります。
- アルバイト
- 語源はドイツ語の「Arbeit」で、「仕事」や「労働」を意味します。日本では、学生が学業の合間に行う一時的な仕事を指す言葉として定着しました。
- アンケート
- 語源はフランス語の「enquête」で、調査や質問を意味します。この言葉は、ラテン語の「inquarere」(探し求める)に由来しています。
- ランドセル
- オランダ語の「ランセル(ransel)」が日本でなまったものです。これは江戸時代にオランダから伝わった背嚢(はいのう)を指します。
- オクラ
- 英語の「okra」に由来し、さらにその語源はアフリカのガーナで話されるトウィ語の「nkrama」に遡ります。
- イクラ
- 語源はロシア語の「Икра(ikra)」で、「魚の卵」や「小さく粒々のもの」を意味します。日本では、特に鮭の卵を指します。
- ドン
- スペイン語やイタリア語で男性の名前の前につける敬称「Don」に由来します。もともとは貴族出身を示す敬称で、権力者を意味するようになりました。
- じょうろ
- ポルトガル語の「jorro」(水の噴出)が由来で、江戸時代に日本に伝わり、「如雨露」などの当て字が使われました。
その他興味深い語源
- 青二才(あおにさい)
- 「青」は若さや未熟さを意味し、「二才」は2つの説があります。一つは、2年目の幼魚「二才魚」に由来し、未熟な若者を指すという説です。もう一つは、古語「新背(にいせ)」が転じたもので、親しい男性を指す言葉から来ているという説です。
- 赤の他人
- 「赤」が「明らかな」「全くの」という意味を持ち、関係のないことを強調するために使われたことに由来します。
- あくび(欠伸)
- 古語動詞「あくぶ」の連用形が名詞に転じたもので、その詳細な語源は諸説あり不明です。
- あっぱれ(天晴)
- 古語「哀れ(あはれ)」に由来します。「あはれ」は感動語「あは」に接尾語「れ」が付いたもので、促音化して「あっぱれ」となり、賞賛の意味を持つようになりました。
- 油を売る
- 江戸時代の油売り商人が、油を注ぐ間に世間話をしていたことから、無駄話をして仕事を怠ける意味に転じたものです。
- いかさま(如何様)
- 「如何様」が「いかにも本物らしい」という意味に転じたことに由来します。また、隠蔽や詐欺を意味する漢字の訛り読みから来ているとの説もあります。
- 一か八か
- 江戸時代の賭博用語に由来します。サイコロ賭博の「丁か半か」の漢字の上部「一」と「八」から来ている説と、「一か罰か」が転じたという説があります。
- えこひいき(依怙贔屓)
- 仏教語の「依怙」に由来します。「依怙」は「頼りにする」という意味があり、「贔屓」と組み合わさって、特定の人を不公平に優遇することを指すようになりました。
- おやつ(お八つ)
- 江戸時代の「八つ時(やつどき)」に由来します。この時間帯は午後2時から4時を指し、この時間に間食を取る習慣から「おやつ」と呼ばれるようになりました。
- かかし(案山子)
- 「嗅がし(かがし)」に由来します。これは、悪臭で鳥獣を追い払うために使われた方法から来ており、清音化されて「かかし」となりました。
言葉にまつわる雑学
- 三国志の「志」
- 「三国志」の「志」は「こころざし」ではなく、メモのような意味で、「日誌」の「誌」に近いイメージです。
- 幸せという字の成り立ち
- 「幸」という漢字は、手かせを表す象形文字から来ており、「手かせをはめられなくて幸せ」という意味があります。
- 俺という言葉
- 「己(おのれ)」の略で、元々は二人称として使われていましたが、中世以降に一人称として用いられるようになりました。
- 音読みと訓読み
- 漢字の中国語発音を日本語化した「音読み」と、日本語訳を当てた「訓読み」に由来します。
- じゃんけんの語源
- 諸説ありますが、代表的なものに「石拳(じゃくけん)」が訛った説や、「両拳(りゃんけん)」が訛った説があります。いずれも中国の拳遊びが由来とされています。
- ヤバいの由来
- 江戸時代の「やば」に由来し、これは「危ない」「法に触れる」という意味で使われていました。
- マジの起源
- 「真面目」の略で、江戸時代に芸人の楽屋言葉として使われたのが始まりです。
- ビビるの由来
- 鎧の触れ合う音「びんびん」から来ており、平安時代に「びびる音」として使われたことに由来します。
- オタクという言葉
- 相手を指す敬称「御宅」から来ています。1980年代に中森明夫がコラムで、アニメや漫画好きの人々がお互いを「お宅」と呼び合う様子を揶揄し、「オタク」と命名したことが始まりです。
- 松竹梅の由来
- 中国の「歳寒三友」に由来します。松と竹は冬でも緑を保ち、梅は寒中に花を咲かせることから、縁起の良い象徴として日本で広まりました。
言葉の変遷と進化
言語は時代と共に変化し、新たな言葉が生まれます。例えば、シェイクスピアが1700以上の新語を生み出したように、日本語も日々進化しています。
現代ではSNSやインターネット文化によって新しい言葉が次々と登場しています。そういった新しい言葉たちの由来や語源などを追うのも面白いかもしれませんね。
まとめ
日本語には多くの興味深い由来や雑学があります。これらを知ることで、日常的な会話がより豊かになり、文化への理解も深まります。言葉の背景を探る旅は終わりがありません。ぜひ、あなたも日々使う言葉について考えてみてください。
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